
陪審員制度を題材にした物語。1957年にアメリカで公開された「12人の怒れる男」のロシア版リメイク。ヴェネチア国際映画祭金獅子賞やアカデミー外国語映画賞候補に選ばれる。原作の監督は、シドニー・ルメット。脚本は、レジナルド・ローズ。
脚本が秀逸。12人の陪審員のバックグラウンドが徐々に現れると同時に、そのバックグラウンドが自分の判断(有罪か無罪か)にいかに影響を与えているかが明らかになっていく。人間は、他人を思いやることができるが、他人の気持ちを真に理解することはできない。相手を理解するのも自分の主観を通して行われる判断であることを再認識させられる。客観は主観を通して理解される。現象学的な視点が浮き彫りになる。自分が判断しなければならないというメッセージを発しつつも、最後に神の加護を案じさせるシーンがあるなど、このストーリーの根底には、人間への愛と性善説がある。
最初の五分ほどの立ち上がりは、モノクロでそれ以外のほとんどのシーンは、一つの部屋で行われる。お金ばかり掛けた派手な映画に食傷気味の人にはおすすめ。
監督:ニキータ・ルメルコフ
公開:2007
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