2009年4月14日火曜日

[INFO] Peter Zumthor Pritzker賞受賞!!



とうとうこの日がやってきました。

Valsで衝撃を受けてからもうしばらく経ちます。
その後、彼の建築は、ほぼ全て見て回りました。
彼の本も読みました。ZumthorWorksだけ高すぎて手が出ていませんが。。

建築に対するスタンス、その作品の詩的空間、表現の方法など敬愛して止まないPeter Zumthorがプリツカー賞を受賞しました。

審査員達のコメントを紹介します。(以後、訳の至らない点はご容赦願います。)
“All of Peter Zumthor’s buildings have a strong, timeless presence. He has a rare talent of combining clear and rigorous thought with a truly poetic dimension, resulting in works that never cease to inspire.”
「Peter Zumthorの作品には、時間を超越した強い存在感を感じる。彼は、清廉で厳格な建築に対する思考と純粋に詩的な空間を結びつける類い希なる才能を持っている。彼の作品からは、絶えずそれが感じられるのだ。」
別の審査員、
“Zumthor has a keen ability to create places that are much more than a single building. His architecture expresses respect for the primacy of the site, the legacy of a local culture and the invaluable lessons of architectural history.”
「Zumthorは、一つの建築という存在以上の場所を創造する非常に豊かな才能を持っている。彼の建築からは、場所、その場所が作り上げてきた文化が生み出してきた受け継ぐべきもの、先人達が築いた歴史への尊敬の念を感じる。」

ETHで、アルド・ロッシから脈々と受け継がれているコンテクストに対する考え方、都市へのまなざしや、建築をものづくりと捉えるスイスの建築が再評価されるいいきっかけになるかもしれません。
また、同時に表現重視のものづくりから離れる傾向にある日本の建築界の潮流にも良い影響を与えることを願っています。

話はそれますが、坂茂がプリツカー賞の審査員しているのは今回初めて知りました。

詳細は、以下のwebsiteから。
http://www.dezeen.com/2009/04/13/peter-zumthor-wins-pritzker-prize/#more-28222


写真は、バーゼル郊外Biel/BenkenにあるZumthor設計の集合住宅にいた猫。

<追記>
毎年出ている作品集Bookletが公開されました。
http://www.pritzkerprize.com/laureates/2009/photobooklet2009.pdf

2009年4月12日日曜日

[INFO] AIJ Prize 2009

  AIJ(Architectural Institute Japan) prize 2009 was announced the other day. This prize is a kind of the gateway of success as an architect in Japan. In 2009, Junya Ishigami(石上純也), Manabu Chiba(千葉学), and Shigeru Ban(坂茂)were laureates of AIJ prize 2009.
The works are following;


KAIT Craft Centre of Kanagawa Institute of Technology(神奈川工科大学KAIT工房)
in Kanagawa, Japan
by Junya Ishigami(石上純也)

You can see the other works designed by Junya Ishigami.
There are some images of works.
Table
Small garden in Naga-ya
House with Forest and sub-house


Fuji Harness(Training center of guide dogs)(日本盲導犬総合センター)in Shizuoka, Japan
by Manabu Chiba(千葉学)

Official site of Manabu Chiba



Nicolas G.Heyak Center in Aoyama, Tokyo(ニコラス・G・ハイエックセンター)
by Shigeru Ban(坂茂)

More info (Official site of Shigeru Ban Architects)

2009年4月11日土曜日

[INFO] Extension of Tate Modern_Herzog & de Meuron


 Herzog & de Meuronのテートモダンの拡張計画が進行中らしい。
初期は、かなり複雑なボリューム。一つの大きいマスに小さいボックスのマスがたくさん組み込まれているフラクタルなボリューム。今は、無駄なものがそぎ落とされ、HdeMらしい形態になっています。シグナルボックスをアグレッシブにしたような、De Young Museumのタワーを縦方向にも回転させたような形態。
 表層の表現がどうなるかも気になる。パースでは、シャウラガーに近い表現にも見える。

デザインの変遷がわかります。
初期デザイン
→http://www.dezeen.com/2007/04/01/tate-modern-2-by-herzog-de-meuron/
現時点デザイン
→http://www.dezeen.com/2009/04/07/tate-modern-extension-by-herzog-de-meuron/

 外観のパースしか出ていないが、地下のオイルタンクをどうリノベーションするのかも気になる。

[BOOK REVIEW] "small images"石上純也_建築家のしたたかさ



 今では、石上さんは「かわいいパラダイム」の筆頭のように感じる。石上さんの本に「small images」がある。この本は、かわいらしいドローイングの表現に目を奪われてしまう。しかし、個人的には、そのかわいらしいドローイングの奥に、「かわいい」とは似つかない建築に対する意志を感じた。新しい空間を創造しようという意志。このKAIT工房のように、土地から切り離されたような浮遊感を目指した建築表現は、今やそんなに新しいものではない。フラットな屋根に細い柱というボキャブラリーもこのような低層の日本現代建築にはありきたりなものである。しかし、その柱の細さをランダムに変化させることであり得ない細さの柱を実現し、屋根の構造もX,Y方向の力を処理できる構造になっている。この作品を初めて見たのは新建築だったと思う。私と同じように「やられた」と思った人は多かったのではないかと思う。構造に対して真摯な態度を持ってたからこのような表現が出てきたのだろう。「small images」の「かわいい」表現は、いわばクライアントに対する非常に巧みなプレゼン方法かもしれない。
 世に出回っている様々な商品と同じように、建築にもクライアントを惹きつける訴求力が必要である。それは、建築作品だけでなく建築家の人間力も重要である。しかし、それは建築表現の本質にはならないことが多い。石上さんは、自分は自分の求めている建築表現の実現を目指しながら、訴求力のある「かわいい」プレゼンをしているのかもしれない。そうしているならば、非常にしたたかである。

 こう考えると、原さんが「デザインのデザイン」に書いていた言葉が思い出される。「欲望のエデュケーション」。ヨーロッパでは、このようなプレゼンは求められない。このようなプレゼンが出てくるのは日本に特殊なことだろう。日本の潜在的クライアントの欲望からこの「かわいい」表現が生まれてきたと思う。ヨーロッパでは、plan, elevation, section, perspectiveで十分であるように思う。ドイツやスイスのコンペ雑誌ではこのような表現を目にしたことがない。

 建築で食っていくためには、このようなしたたかさがある程度求められる。日本では、この求められるしたたかさの程度が高い気がする。