日本人が4人ノーベル賞を受賞したのは記憶に新しい。ほぼ全員が海外に研究の場所を求めたのは置いておいて、一連のニュースの中で印象に残った言葉がある。化学賞を受賞した下村さんの言葉で、「美しいから、これを取り出したいと思ったんです。ただ、それだけです。」
この言葉は、研究者の現実社会との理想的なスタンスを如実に表している。基礎研究の研究者は、その研究がどのように実社会にインパクトを与えるかということには余り興味がない。だからこそ、のめり込んで新たな真実を発見することができる。どのように役立つかばかり考えていたら本質に迫れない。そういえば、「一見無駄に思える研究をどれだけ国が支えることができるか、これがその国のクオリティをはかる一つの指標になる」と養老さんが本に書いていた。
景観や建築の研究も、工学分野にあるとはいえ、基礎研究的な分野がある。うちの研究室は、最近の動向はおいておいて、基礎研究を行う研究室だと思う。だから、研究は、自分の興味があることにのめり込んでいけばいいと思う。先日恩師と研究の相談をする機会に恵まれたのだけれど、その時も先生は同じようなことを言っていた。
「自分が美しいと思う風景を、他人が納得するように上手く説明すれば、それでいい。社会がそれを求めるかは置いておいて、君の研究を理解してくれる人が必ず現れるから。」
学生が求めるのは、こういう言葉だ。こういう言葉を発してくれる先生について行こうと思うものだ。
修士論文で、自分が興味がある風景の本質に少しでも迫ることができればと思う。
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